IT業界入門|就活・新卒向け

新卒でSES企業に入社する
メリット・デメリットを正直に解説

「SESってどうなの?」「新卒でSESに入っても大丈夫?」——SES現場を14年経験し、現在IT講師として多くの新卒・転職者を見てきた立場から、誰も正直に言わないリアルをお伝えします。

読了目安:約16分対象:IT就活中の学生・SES企業への就職を検討中の方更新日:2026年3月
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この記事の核心:SESは「使い方次第で最高のキャリアスタート」にも「スキルが育たない罠」にもなります。入社前に「インフラ案件の比率・教育制度・商流の深さ」を確認することが、後悔しないための最大の手段です。

この記事を書いた人
現役ITエンジニア・IT講師(経験14年)
CCNA・CCNP 取得LPIC-1 保有AzureFundamentals 保有SES現場を複数経験現役IT講師

NWエンジニアとして複数のSES現場でインフラ構築・運用・障害対応を経験。現在はIT講師としてCCNA・LPIC・AWS CLF・Azure Fundamentalsの資格取得コースを担当。学生・未経験者のキャリア相談を数多く受けてきた経験から、この記事を書いています。Route Bloomは、この経験をもとに立ち上げた独立事業です。

1. そもそもSESとは?3分で理解する仕組み

まず、SES(System Engineering Service)とは、エンジニアを客先企業に常駐させて技術サービスを提供する形態です。つまり、自社ではなくクライアント企業の現場でシステム開発・インフラ構築・運用などの業務を行います。

🏢 SES企業(自社)
  • エンジニアを雇用・教育する
  • クライアントへの常駐を手配
  • 給与・社会保険を支払う
  • 案件の契約主体
👔 クライアント企業(客先)
  • 実際の作業場所・職場
  • 業務の指示を出す(指揮命令は自社)
  • プロジェクトの目標・品質を管理
  • SES企業に業務委託費を支払う
💡 派遣との違い

また、SESと派遣は似ていますが法的に異なります。つまり、派遣は「指揮命令がクライアント」なのに対し、SESは「指揮命令が自社(SES企業)」という形式です。ただし、実際の現場では曖昧なケースも多く、法的なグレーゾーンが存在することも知っておく必要があります。

2. 新卒でSESに入るメリット5つ

次に、SES企業に新卒で入社することで得られるメリットを正直に解説します。なお、これらは企業・案件の質によって大きく変わります。

  • 1
    さまざまな現場・技術を経験できる
    自社開発企業では1つのシステムしか触れないことが多いですが、SESは案件が変わるたびに異なる環境・技術・業界を経験できます。したがって、幅広いスキルセットを早期に構築できる可能性があります。
  • 2
    未経験・スキルなしでも入社しやすい
    SES企業はポテンシャル採用が多く、新卒・未経験でも入社できます。自社開発企業より選考のハードルが低いため、IT業界への入口として機能します。
  • 3
    大手企業の現場に入れるチャンスがある
    SESを通じて、直接入社では難しい大手IT企業・金融機関・官公庁の現場に入れることがあります。そこでの人脈・実績が次のキャリアに繋がるケースもあります。
  • 4
    資格取得支援・教育制度が充実している企業もある
    SES企業の中には、資格取得費用の補助・社内研修・メンター制度が充実しているところもあります。CCNAやAWSなどの資格を取得しながらキャリアを積める環境が整っていれば、非常に良いスタートが切れます。
  • 5
    転職市場での「経験年数」を効率的に積める
    IT業界では実務経験年数が評価されます。つまり、SESで複数の現場経験を積むことで、3〜5年後の転職活動での選択肢が大きく広がります。

3. 新卒でSESに入るデメリット・リスク

また、SESには無視できないデメリットがあります。なぜなら、SESの構造上生じる問題を知らずに入社すると、後悔する可能性が高いからです。

⚠️
スキルが育たない現場に入り続けるリスク
運用監視・ヘルプデスクなど単純作業の案件に長期間入り続けると、技術スキルが積み上がりません。3〜4年経っても「経験年数はあるがスキルがない」状態になる人が実際に存在します。
💸
中間マージンで年収が低くなる
SES企業が受け取る単価から中間マージンが引かれるため、同じスキルを持っていても自社開発企業や直契約より年収が低くなることがあります。3次請け・4次請けになるほど手取りが減ります。
🏠
帰属意識・会社の仲間感が薄くなりやすい
客先に常駐するため、自社の同僚とほとんど会わないことがあります。チームで一緒に仕事をする経験が少なく、孤独感を感じる人もいます。
🔄
案件の選択権が少ない(特に入社直後)
入社直後は会社側に案件を決められることが多く、「この技術を学びたい」という希望が通らないケースがあります。営業担当との関係性と自己主張が重要になります。
⚠️ 「なんとなくSES」が最もリスクが高い

したがって、「SESでどんな経験を積みたいか」を明確にせずに入社すると、会社・営業に振り回されるだけになります。具体的には「2年以内にCCNA取得・構築案件経験を積む」という目標を持って入社する人と、そうでない人では3年後の差が歴然です。

4. SESを選ぶべき人・避けるべき人

さらに、SESへの就職がキャリア上プラスになる人とそうでない人の特徴を整理します。

✅ SESが向いている人
  • IT業界での最初の一歩を踏み出したい未経験者
  • さまざまな技術・現場を経験したい方
  • 入社後3年以内に転職・独立・スキルアップを計画している方
  • 資格取得・自己学習を並行してできる方
  • 自社開発より「案件の多様性」を重視する方
❌ SESを避けた方が良い人
  • 会社帰属意識が強く、チームで働きたい方
  • 1つのサービスを長期的に作り上げたい方
  • 受け身で案件に入るだけでは成長できないと感じる方
  • 「言われた業務だけやる」スタンスの方(成長が止まるリスク)

5. SES企業を選ぶ際に確認すべきポイント

そのため、SES企業への就職を決める前に以下の点を必ず確認してください。なお、就活中の学生は面接で直接聞いてOKです。むしろ、質問する学生は「考えている学生」と評価されます。

  • インフラ・構築案件の比率:「運用監視が何割、構築が何割の案件がありますか?」と聞く。構築経験を積めない企業では成長が止まる
  • 商流の深さ:「自社が元請け・1次請けの案件はどのくらいありますか?」と確認。3次・4次請けが多い企業は年収が低くなりやすい
  • 待機中の扱い:「案件と案件の間の待機中はどのような対応ですか?給与は出ますか?」を必ず確認
  • 資格取得支援:「資格取得費用の補助はありますか?」。CCNAやAWSなどの費用を会社が負担してくれるかどうかで、キャリアの成長速度が大きく変わる
  • 先輩社員の実績:「3〜5年目の先輩はどのような案件にいますか?」。入社後のリアルなキャリアイメージが見えます

6. よくある疑問(FAQ)

Q. 新卒SESはやめとけと言われるのはなぜですか?
また、「やめとけ」という意見の多くは「質の悪いSES企業で消耗した経験者」の声です。つまり、SES全体が悪いのではなく「企業選びと自分の行動次第」という面が大きいです。したがって、教育制度・案件の質・商流の深さを確認した上で選べば、新卒SESはITキャリアの良いスタートになり得ます。
Q. SES企業から自社開発企業への転職はできますか?
なお、可能です。具体的には、SESで「CCNA+構築経験」を積んでから自社開発企業へ転職した方は多くいます。ただし、スキルを積まずにSESで時間だけ経過した場合は転職が難しくなります。なぜなら、自社開発企業は「何ができるか」を重視するからです。
Q. 文系・非情報系でもSESに就職できますか?
また、SES企業はポテンシャル採用が多いため、文系・非情報系でも就職できます。ただし、「ITパスポート取得済み」「Linuxを触った経験がある」など、行動の証拠があると内定率が大きく上がります。

7. まとめ

最後に、新卒SESについての結論をまとめます。以上のように、SESはキャリアを「自分でコントロールできる人」にとっては良い選択肢です。

📌 この記事のポイント
  • SESはさまざまな現場経験・早期のキャリアスタートが可能だが、受け身でいるとスキルが育たないリスクがある
  • 入社前に「インフラ案件比率・商流の深さ・待機中の扱い・資格支援」を必ず確認する
  • 「2〜3年でCCNA+構築経験を積む」という目標を持って入社することがSES活用の鉄則
  • 文系・非情報系でも行動の証拠(ITパスポート・Linux経験)があれば就職は十分可能

Route Bloomでキャリアをサポートします

SES企業の選び方・就職後のキャリアプランについて個別にアドバイスします。
2026年7月からフリーランス講師として本格始動予定です。お気軽にご相談ください。

※記載の情報は執筆時点の内容です。最新情報は各公式サイトをご確認ください。

ABOUT ME
たから
サラリーマンをしながら開業して経営やってます。 今年、本業で独立・別事業を起業予定です。 ◆経験:IT講師/インフラエンジニア/PM/マネジメント/採用/運用・保守・構築・設計 ◆取得資格:CCNA/CCNP/LPIC-1/AZ-900/FE/サーティファイC言語 ◆サイドビジネス:経営/個人事業/アパレル