IT未経験転職のリアルよくある後悔・失敗パターンと対策を現役講師が解説

IT未経験転職のリアル
よくある後悔・失敗パターンと
対策を現役講師が解説
「こんなはずじゃなかった」——IT未経験で転職した後に後悔する人には、共通したパターンがあります。この記事では転職エージェントやスクールの記事では書きにくい「なぜその失敗が起きるのか」の構造を、現場と講師の両方を経験した立場から正直に解説します。転職前の人にも、すでに現場にいる人にも役立ててもらえる内容です。
この記事は「失敗しないために読む」だけでなく、「すでに失敗していると感じている人が、そこから立て直すために読む」記事でもあります。各パターンに「転職前の対策」と「転職後でもできること」の両方を書いています。
IT未経験での転職が「後悔」に変わるとき、その原因のほとんどは「情報のギャップ」です。転職エージェントは成約を目的に情報を出し、スクールは入学を目的に情報を出します。どちらも嘘をついているわけではありませんが、「不利な情報を積極的に出す動機がない」という構造があります。
また、この記事では、講師として未経験者が現場に入った後の現実を多数見てきた立場から、よくある後悔と失敗パターンを正直に解説します。「知っていれば防げた」「入った後でもできることがある」という視点で書いています。
1. IT未経験転職でよくある後悔・失敗パターン7選
まず、この記事の全体像を把握しておきましょう。また、各項目を意識しながら読み進めることで、理解が深まります。
「聞いてた話と全然違う…」——この後悔、実は予防できます。転職エージェントやスクールの広告には書いてないリアルな失敗パターンを、講師として何度も見てきた立場から正直に整理しました。
IT未経験からインフラ系SES企業に転職すると、最初の配属先は運用監視になるケースが多い。24時間365日のシフト制・夜勤あり・決まった手順書に従って監視画面を確認し続ける作業——「エンジニアとしてコードを書いたり設計をしたりする」イメージとの差に衝撃を受ける人が多いです。
「エンジニア=クリエイティブな仕事」というイメージのまま転職している。インフラエンジニアのキャリアは「運用監視→運用保守→構築→設計」と段階があり、未経験者が最初から設計をすることはほぼない。この構造を事前に知らないまま転職すると「聞いていた話と違う」となる。
SES企業の面接・説明会で「最初の配属先の業務内容」「運用監視フェーズは平均どのくらいで次のフェーズに移れるか」を具体的に聞く。「インフラエンジニアの1日」を実際に解説している記事(当ブログの関連記事も参考に)で業務のリアルをイメージしてから転職活動を始める。
運用監視の現場では夜勤・シフト制が珍しくありません。「夜勤でも大丈夫」と思って入っても、実際に続けると体調を崩すケースは多い。体調が崩れると判断力も落ち、「続けるべきか辞めるべきか」を冷静に考えられなくなります。体を壊してから離職を決断すると、次の転職活動が不利になりやすい。
夜勤への適応は「やってみないとわからない」部分がある。また「運用監視はキャリアの入口だから我慢すべき」という情報が先行し、体調の限界サインを見逃してしまう。体調管理の問題を「スキルや気持ちの問題」と混同してしまうケースも多い。
転職前:「夜勤の頻度・深夜帯の割合・次のフェーズへの移行時期」を面接で具体的に確認する。転職後:体調の異変は早めにSES担当営業に相談する。「体調不良のサインを無視して続ける」より「早めに相談して配置転換を依頼する」ほうがキャリアへのダメージが小さい。
「資格を取ればステップアップできる」という情報を信じて現場でCCNAやAWSを取ったが、配属先が変わらない・給料が上がらないというケースがあります。SES企業では「資格取得=自動的に単価アップ・配属変更」にはならない構造があります。
SES企業では「社員のスキルアップ=単価交渉の材料」になるが、担当営業が動かなければ案件は変わらない。「資格を取ったことを担当営業に報告・交渉する」というアクションが必要なことを知らないまま、ただ待っているケースが多い。また資格が現場の案件要件と合っていないと評価されにくい。
資格取得後に「この資格を活かせる案件に移りたい」とSES担当営業に明確に伝える。「報告して終わり」ではなく「次の案件への具体的な希望として伝える」が重要。また転職前の段階では「資格取得でキャリアチェンジを支援してくれる実績があるか」をSES企業選びの基準にする。
「入社後3ヶ月の充実した研修があります」という説明で転職したが、実態はビジネスマナー研修のみ・テキストを渡されて自習・講師の質が低く質問もしにくい——という「名ばかり研修」のケースが一定数あります。
「研修あり」という文言に具体的な定義がなく、会社によって内容が大きく異なる。面接段階でその内容を深く確認しないまま転職を決断してしまうことが多い。また「研修がなくても自分で学べばいい」という楽観的な見積もりが外れるケースもある。
面接で「研修の具体的なカリキュラム」「誰が教えるか(現役エンジニアか外部講師か)」「研修後の配属先はどう決まるか」を確認する。回答が曖昧な場合は要注意のサイン。また研修の充実度に期待するよりも、「自分で資格学習を進めてから入社する」ほうが現場適応が早くなる場合が多い。
「成長できる環境」という言葉を信じて入ったが、2年経っても運用監視の同じ作業を繰り返すだけで技術的な成長を感じられない——このパターンは講師として多く見てきました。現場・会社・本人のアクション、いずれかに問題があることが多い。
SESの現場では「いてくれるだけで単価が入る」ため、現場側がスキルアップを積極的に促す動機が弱いことがある。また「成長を待っている」姿勢では、SES現場では声がかかりにくい。「次の案件で〇〇がやりたい」と自分から動かないと、同じ現場で同じ作業が続く構造がある。
半年〜1年ごとに「現在のスキルセット」「次に経験したい業務」をSES担当営業に定期的に伝える習慣をつける。現場外での資格取得・学習を続けて「移れる案件の幅を広げる」ことが、SES内でのキャリアアップの現実的な方法。待っているだけでは変わりにくい。
「ITエンジニアは年収が高い」という情報だけで転職したが、未経験入社1年目の年収は前職(営業・販売・製造等)より低いケースがあります。SES企業の未経験採用は年収300〜350万円前後からスタートすることが多く、前職の年収次第では最初の1〜2年は収入が下がることを覚悟が必要です。
「インフラエンジニアの年収中央値」や「経験者の年収」が先に目に入るため、未経験入社初年度の年収水準を低く見積もっていないケースが多い。また夜勤手当・各種手当を含めた総支給額と基本給の差を確認していないことも原因になる。
面接時に「未経験入社1年目の想定年収・基本給・各種手当の内訳」を具体的に確認する。「エンジニアは稼げる」はキャリアを積んだ後の話であり、最初の1〜2年は生活費の見直しが必要になる可能性を前提に計画する。スキルアップすれば単価・年収が上がる構造は本物のため、長期視点で考えることが重要。
「未経験歓迎・資格不要」の求人で採用されたが、現場では「VLANって何?」「サブネットってどういう意味?」という基礎知識が前提で話が進み、まったくついていけない——というケースがあります。「未経験歓迎」は「何も知らなくていい」という意味ではないことが多い。
「未経験歓迎」という求人文言が「知識ゼロでも問題ない」と誤解されやすい。実際には「業界未経験でも熱意があれば採用する」という意味であり、入社後の学習は本人が主体的に行う必要がある。また研修があっても「基礎知識がある前提で進む」研修の場合、基礎から躓いてついていけなくなる。
転職活動と並行して、または転職前にCCNAの学習を進めておく。「CCNAを学習中・〇月受験予定」という状態で面接に臨むことで、現場適応のスピードが上がり、配属先の質も変わる。資格取得を「転職後でいい」ではなく「転職前から始める」ことが、現場で困らないための最も確実な準備。
2. SES企業・求人票のどこを見落としやすいか
次に、具体的な内容について解説します。つまり、ここでの情報が実際の行動に直結するため、丁寧に確認してください。
失敗パターンの多くは、転職前の情報収集の段階で防げます。SES企業・求人票の「確認すべき点・見落としやすい点」を整理します。
| 確認項目 | よくある表現 | 確認すべき実態 |
|---|---|---|
| 最初の配属先 | 「スキルに応じた案件に配属」 | 未経験者の最初の配属は具体的にどんな業務か。運用監視が中心になるのかを確認する |
| 夜勤の頻度 | 「シフト制あり」 | 月に何回・何時間の夜勤があるか。深夜帯のシフト比率はどのくらいか |
| キャリアアップの実績 | 「スキルに応じてステップアップ可能」 | 実際に未経験入社から構築・設計フェーズに移った社員が何人いるか。平均何年かかるか |
| 研修の中身 | 「充実した研修制度あり」 | 研修の具体的なカリキュラム・期間・誰が教えるか・研修後の配属先決定の仕組み |
| 年収の内訳 | 「年収350〜700万円」 | 未経験入社1年目の想定基本給・各種手当の内訳・夜勤手当の有無と金額 |
| SES担当営業の役割 | 「専属のキャリアコンサルタントがサポート」 | 担当営業が1人あたり何人の社員を担当しているか。キャリア相談に乗ってもらえる頻度 |
つまり、未経験者を大量採用しているSES企業の中には、採用数を増やすことを優先し、配属後のキャリア支援が薄い企業もあります。「未経験歓迎」の件数が多いこと自体は悪いことではありませんが、「入った後に何をしてくれるか」を確認することが重要です。
3. 「転職後でもできる立て直し方」——すでに現場にいる人へ
続いて、実践的なポイントをお伝えします。そのため、自分のケースに当てはめながら読むことが重要です。一方で、状況によって異なる場合もあります。
「すでに転職して現場にいるが、このまま続けていいのか迷っている」という方に向けて、フェーズ別の立て直し方を整理します。
「今の現場がつらいが辞めたらキャリアが途切れるのが怖い」「スキルアップできていないが何から始めたらいいかわからない」で思考停止している状態
「今つらい理由」と「続ける理由・辞める理由」を紙に書き出す。SES担当営業に「現状」と「次にやりたいこと」を明確に伝えるアクションを起こす
- 1今の状況を「つらい」で止めず「なぜつらいか」に分解する:夜勤がつらい・作業が単調・スキルアップを感じない・人間関係——原因を分けることで、解決策が変わります。「夜勤がつらい」なら配置転換の相談が有効。「スキルアップを感じない」なら自主学習と担当営業への働きかけが有効。まとめて「IT転職が失敗だった」と結論づけないことが大事です
- 2SES担当営業に「次の案件の希望」を具体的に伝える:「今の仕事がつらい」と言うだけでなく「次は〇〇フェーズ・〇〇技術の案件を経験したい」と具体的に伝えることで、担当営業が動きやすくなります。担当営業に「次の案件の候補を出してほしい」と期限をつけて依頼するのも有効です
- 3現場外での学習を「今日から」始める:今の現場がスキルアップに向かないなら、現場外での学習が唯一の手段です。CCNAをまだ持っていないなら今すぐ学習を始める。AWS CLFやLPIC-1を持っていないなら次の目標にする。資格は「移れる案件の幅を広げる」ための切符です
- 4体調の異変は早めにアクションする:夜勤による体調不良は「慣れるまで我慢」が正解ではないことがあります。体調が限界になってから相談するより、早めに「体調面での不安」をSES担当営業や社内の相談窓口に伝えるほうが、対応の選択肢が広がります
- 5「1年以内に次のフェーズに移る計画」を立てる:運用監視フェーズに入ってから1年を目安に「次のフェーズへの移行計画」を担当営業と合意しておくことが理想です。「いつかステップアップできる」では動きにくい。「〇月までに資格を取って、次の案件を探してもらう」という具体的な期限と条件を設定することで、行動が変わります
4. 転職前にやっておくべき5つのこと
また、重要な観点から説明します。なぜなら、ここで紹介する内容を知ることで、より確実な選択ができるからです。したがって、しっかり確認してください。
- 1CCNAの学習を転職活動と並行して始める:「転職してから資格を取る」より「CCNAを学習中・受験予定」の状態で転職活動をするほうが、配属先の質が上がり、現場での適応も早くなります。転職活動を始める時点でCCNAの学習を開始することを強くおすすめします
- 2面接で「最初の配属先の業務内容」を必ず確認する:「スキルに応じた案件に配属」という回答は実質的な説明になっていません。「未経験入社の場合、最初の1年はどんな業務が中心になりますか」と具体的に聞く。回答が曖昧な企業はそれだけで判断材料になります
- 3インフラエンジニアの業務の現実をイメージしてから転職する:運用監視・夜勤・手順書作業——これらを「知った上で入る」のと「知らないまま入る」では、現場での心理的な負荷がまったく違います。当ブログのインフラエンジニアの1日・年収のリアルに関する記事(リンク)も参考にしてください
- 4年収の「最初の1〜2年」を現実的に計算する:未経験入社1年目の年収水準を前職と比較し、生活コストが問題ないかを事前に確認しておく。「3〜5年後に年収〇〇万を目指せる」という長期の可能性と、「最初の1〜2年の年収がいくらか」は別の話です
- 5複数のSES企業を比較してから決める:未経験での転職先として最初に提案されたSES企業に即決するのはリスクがあります。少なくとも2〜3社を比較し、「キャリアアップの実績」「研修の中身」「担当営業の対応の質」を見比べてから判断することをおすすめします
よくある疑問
よくある疑問
「入る前にもっと調べておけばよかった」という言葉を、現場に入った後の受講生から何度も聞いてきました。ただ、入ってから気づいても遅いかというと、そうでもありません。現場に入った後でも「なぜつらいかを分解して、担当営業に具体的に伝え、資格を取りながら次の案件を目指す」という行動を取った人が、1〜2年後に大きく状況を変えているケースをいくつも見てきました。失敗に気づいた段階から動くことが、次のステップへの最短ルートです。
5. よくある疑問(FAQ)
さらに、補足的な情報をお伝えします。なお、ここで紹介する内容は現場での実体験をもとにしています。一方で、個人差もあるため参考程度に捉えてください。
6. まとめ
加えて、実践的な観点から解説します。具体的には、ここで紹介する方法を活用することで成果を高められます。したがって、ぜひ参考にしてください。
- 失敗パターンの多くは「情報のギャップ」から始まる。インフラエンジニアの業務の現実(運用監視の単調さ・夜勤・段階的なキャリア)を知った上で入ることで、心理的な負荷が大きく変わる
- 「未経験歓迎」=「何も知らなくていい」ではない。CCNAの学習を転職前から始めることが、現場適応と配属先の質に直結する
- SES企業選びは「入った後に何をしてくれるか」で判断する。研修の中身・キャリアアップの実績・担当営業の対応を面接で具体的に確認する
- 資格を取っただけで状況は変わらない。「資格取得→担当営業に報告→次の案件希望を具体的に伝える」というアクションがセットで必要
- 体調の問題は早めに相談する。夜勤による体調不良を「慣れるまで我慢」で放置すると、判断力が下がって取り返しのつかない状況になりやすい
- すでに現場にいる人は「今できる行動」を一つ選んで動く。「つらい理由の分解→担当営業への相談→資格学習の開始」の順番で行動を起こすことで、1〜2年後の状況は変えられる
- 失敗に気づいたその日から動き始めることが最短ルート
転職前の不安・現場での悩みを一緒に整理します
そのため、よくある疑問についてまとめました。また、同じ悩みを持つ方が多いため、ご自身の状況に照らして読んでください。なお、詳細は個別にご相談ください。
「どのSES企業を選べばいいか」「今の現場でどう動けばいいか」
「CCNAをいつから始めればいいか」——
Route Bloomでは、こういった相談から始めています。




